日本における鍵の必要性は、この10年ほどで急速に高まっています。
ピッキング被害が急増したからで、日ごろの防犯対策へのこころがけの重要さは各種の報道機関から告げられているとおりです。
ところが日本人の防犯意識や鍵に関する知識は、それほど深くありません。
歴史をさかのぼると、時代劇の中で鍵が登場するのは金持ちの蔵にかけられた錠前くらいのものです。
庶民の家の防犯は雨戸につっかい棒をするだけというシーンが見られます。
そのなごりで、現代においても鍵は一応かけておくだけという感覚の家が多かったのです。
建築物によっても状況は異なり、マンションではさすがに防犯対策がしっかりしていますが、一軒家の場合は窓や犬走り庭木などといった要注意箇所が多くあります。
築年数の古い家にもともと設置されている鍵はいまではその役目を果たしていないといっても言い過ぎではないのです。
鍵被害の中でもっとも有名なものはピッキングです。
いまから10年以上前の鍵は、ほとんどがシリンダー錠と呼ばれるものとなります。
空き巣狙いのプロの手にかかると、この手の鍵は1分以内にあけられてしまうのです。
ドラマや映画の中で、犯罪者がヘアピンなどで簡単に鍵をあけてしまうシーンは決して絵空事ではありません。
次に有名なのが、サムターン回しというのです。
サムターンというのは、一時期どこででも見かけるほど流行した方式の鍵で、ドアノブの真ん中についている突起をひねってロックします。
この種の鍵もプロの手にかかると針金一本でドアの隙間から簡単にロックを解除されてしまうのです。
その他の手口としては、ドアの蝶つがいをこわしてしまうというものもあります。
古い家の場合はもちろん、借家の場合は入居の際に鍵交換をしてもらうことが必須です。
防犯対策を役目をきちんと果たすという意味で、鍵に関する重要ポイントをいくつかあげます。
まず、鍵は新しいものほど性能が高いということです。
防犯対策がされると、それを破る手口があらわれるといういたちごっこには困りものですが、新しい鍵には最新の対策が立てられています。
次には、警察からも奨励されている1ドア2ロックの方針があげられます。
プロの手にかかればほとんどの鍵は破られるとしても、その作業時間が長くなればあきらめる可能性が高くなるのです。
そして、鍵は常に身につけておく習慣づけることが大切であるといえます。
まずはこの3点に関する意識を高めれば、お住まいの防犯効果が高くなるにちがいありません。